音響レンタルの基礎知識!PAシステムや最低限借りるべき機材を紹介

講演会や披露宴、発表会などのイベント開催時は、音響機材を使用することがほとんどです。しかし、イベント会場に機材がない場合や利用シーンに合った機材がない場合も考えられます。そんなとき活躍するのが音響レンタルです。
ここでは最低限借りるべき機材やPAの知識、音響レンタルを利用する際に注意すべきことなどを紹介しています。音響機材のレンタルをお考えの人はぜひチェックしてください。

音響レンタルでよく聞く「PA」とは?

音響 レンタル

PAとは、「Public Address」の略称です。日本語では公衆伝達という意味があります。イベント会場によっては、音響機器の音が遠くまで届きませんが、音の増幅効果を持つPA機器を使用すると広いイベント会場に音を響き渡らせることが可能です。

音響機器だけでなく、音響・録音に携わるスタッフを含めてPAと呼ぶ場合もあり、マイクやスピーカー、ミキサー、アンプなどの複数の機器で構成された音響機器全体をPAシステムといいます。

PAシステムはイベント会場の広さや利用シーンによって、使用すべき機器が異なるため、すべて揃えようとすると多額のコストがかかります。そのため、イベント開催時に音響レンタルサービスを利用するのが一般的です。

音響レンタルで最低限借りるべき機材

必ず用意しておくべき音響機器を4つ紹介します。

マイク

音の入力に必要な機器です。有線と無線の2種類あり、有線マイクは専用のケーブルを用意しなければなりませんが、きれいな音質を実現できます。マイクと他の機器が繋がったまま進行できるイベントに適しているマイクです。動き回ることが少なく、音質のクオリティが求められる場面で重宝します。
一方、無線マイクは他の機器と電波で繋がっているマイクです。歌いながら踊ったり、会場内を歩きながら解説したりなどの場面で活躍します。しかし、近くで携帯電話等の通信機器を使っていると、意図せずその音を拾ってしまう混信のリスクがあります。無線マイクの周波数の変更で改善できるケースがほとんどですが、万が一改善できない場合を考慮して有線マイクも用意しておくとよいでしょう。

スピーカー

外付けのアンプを使用するパッシブスピーカーとアンプが内蔵されたパワースピーカーに大きく分類されます。

パッシブスピーカー

特徴
・大きな音を出せる
・幅広い音域でよい音質を出せる
・柔軟にカスタマイズできる

出力が大きく、さまざまな音域に対応できるパッシブスピーカーは、イベント会場の広さに適応できる音響機器。野外ステージのような広い会場では遠くまで音を響かせられ、ワークショップのような距離感が近い会場では繊細な音を目指せます。

パワースピーカー

特徴
・コードの接続が少なくて済む
・多様な機器と接続できる

アンプ内蔵型のため、接続コード類がほとんどありません。比較的コンパクトに設置でき、省スペースで利用できます。BluetoothでPCやモニターに繋ぐワイヤレス接続対応の製品もあり、コードの接続に不慣れな人におすすめです。

ミキサー

音のバランスを整える音響機器です。会議やオンラインセミナーといった聞き取りやすさを求めるシーンで活躍するミキサー。アナログミキサー、デジタルミキサー、パワードミキサーの3種類あります。

アナログミキサー

特徴
・シンプルな機能
・デジタルミキサーよりも安価

アナログ音源にて入力した音声信号の音量や音質を調整するミキサーです。本体に並んでいるつまみやフェーダーを調節するだけで音のバランスを整えられ、直感的に操作できます。
デジタルミキサーよりも安価で手に入るため、導入しやすいのもメリットです。

デジタルミキサー

特徴
・多機能
・コンパクト

音声をデジタル処理して音量や音質を調整するミキサーです。アナログミキサーでは困難な音質にも対応し、幅広いシーンでの活躍が期待できます。
あらかじめ設定しておいた情報を瞬時に呼び出せる「メモリー機能」や、ハウリングの自動抑制に役立つ「ミキシング機能」、イコライザーや残響効果の付加といった「プロセッシング機能」など多彩な機能を搭載しているのも魅力です。くわえて、それぞれのつまみやフェーダーに複数の機能が備わっているため、コンパクトに設置できます。

パワードミキサー

特徴
・スピーカーに直接接続可能
・操作が簡単

アナログミキサーのなかにパワーアンプが組み込まれているミキサーです。 ミキサーは単体だと弱々しい音しか出せないため、基本的にアンプと一緒に使用されますが、アンプが内蔵してあるパワードミキサーの場合、アンプを用意する必要がありません。スピーカーに直接接続し、音声信号を増幅させて音を流せます。

アンプ

音声信号を増幅し、音を大きくする装置です。ミキサー、もしくはスピーカーにアンプが内蔵されていれば、用意する必要はありません。マイクやCDデッキの音をただスピーカーで流すだけでは、音の大きさが不十分な場合がほとんどです。そのため、アンプで増幅させたうえでスピーカーから音を流します。

音響レンタルを利用する際の注意点

音響 レンタル

ここでは音響機器をレンタルしてイベントを開催する際の注意点を解説しています。はじめてイベントを開催する人は、要チェックです。

イベント日までにステージを把握しておく

スピーカーとマイクの位置関係に注意しなければなりません。スピーカーの音の飛び方やマイクの音の拾い方をチェックする必要があるからです。
基本的に、スピーカーの音の出口とマイクのヘッドは背を向くように配置します。観客側に向いたスピーカーの位置を基にマイク使用者の立ち位置やマイクの本数、音響機器の配置などを確認しておけば、イベント当日にハウリングなどのトラブル軽減が見込めます。

電源・コンセントの位置を確認しておく

音響機器には当然ながら電源が必要です。使用する機器に対してブレーカー容量が足りなければ、イベント中に電気系統に問題が生じる可能性があります。また会場にコンセント自体がないケースも考えられます。
各音響機器のメーカーが公表している消費電力を参考にして、イベント会場に応じた音響機器を用意すべきです。
コンセントがない、もしくはコンセントの位置が遠い場合は、発電機や延長コードのレンタルも視野に入れましょう。

本番前にリハーサルを行う

リハーサルにおいてチェックするのは、主に機材トラブルの有無です。機材の調子や音質などに問題がないことを確認します。万が一、正しい音が出ていない場合は、原因を探し出しましょう。

原因の一例
・配線や操作を間違えている
・Wi-Fiルーターなどの通信機器が近くにある
・電源や各種ケーブルの調子が悪い

余裕をもってセッティングを行う

音響機器の搬入と設営には多くの時間が必要です。セッティング時間を十分に取れないと、リハーサルにかける時間も減ってしまいます。そうならないためにも、余裕をもったスケジュールの設定が大切です。
設営にかかる時間がわからない人は、音響レンタルサービスのスタッフへの相談がおすすめ。セッティングにかかるおおよその時間をアドバイスしてくれたり、注意点について教えてくれたりすることもあります。

各種イベントには音響レンタルがおすすめ

音響 レンタル

音響機器は高価なものが多く、開催するイベントに応じて適切な音響機器を揃えるとなると多大なコストが必要です。
音響レンタルサービスを利用すると、イベントごとに必要最低限の音響機器をレンタルすればよいので、あまりコストをかけずに充実したイベントの開催を目指せます。
レンタルサービスによって特徴や貸し出ししている機器が異なるため、事前にしっかりリサーチして用途に合わせたサービスを選んでください。